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米山奨学生が導いた日本語の起源

筆者は1993年4月から1995年3月まで、米山記念奨学生 韓国の許玄周さんのカウンセラーを勤め、韓国それも古代朝鮮に興味をもつ、きっかけになりました。許さんは韓国の大学で、日本の古典「蜻蛉日記」カゲロウニッキの研究で修士号を取得、来日して東京大学で相互国文化比較文学で博士を取得する為の勉強をしていました。蜻蛉日記といえば954年から31年間に在る時の権力者藤原道網の母の日記で、一夫多妻制であった当時の女性や妻の苦しみや悩み、不幸な生涯を綴った日記文学の頂点に立つ平安初期の作品です。日本人でも、この作品について知る人が少ない位の文学の研究をした彼女の日本語、会話の知識は日本人でも遠く及ばない処があったのですが、残念ながら博士号取得に失敗傷心のうちに帰国しました。

博士号を取得すれば韓国で大学教授の席が用意されていたのに残念です。

当時、東京大学の指導教官はどんな指導をしていたのかと腹立たしく思ったのが昨日のようです。

韓国のTVドラマから学ぶ発音の共通点

筆者が中学3年の時、第二次世界大戦は終わりました。英語に興味をもっていた筆者の先生は、ラジオから流れる進駐軍放送とアメリカ映画です。今のように手とり足とりの教育なんてありませんから、理解出来ないままにラジオから流れる英語の発音をそのまま真似し、アメリカ映画の台本を買って、一日映画館にこもって勉強をしました。この耳で聴き分ける力が今回計らずも役に立ちました。

40年以上も前に「朝鮮語は朝鮮文字(諺文字オンモン)がつくられた15世紀、日本で云えば南北朝からはともかく、それ以前は語源に対する手がかりも少ない

朝鮮語は≪単語の上では≫日本語の起源ではないかと思われるアルタイ語、即ちトルコ語、モンゴル語、満州語などよりも多く対応しているものが多く見られるが、まだ充分な材料が揃っているとはいえない。」

日本語の起源について、こう学びました。筆者にとって朝鮮語を聞く機会がなかったのですが、近頃の韓国のTV局がつくった「アジアドラマスペシャル」から、その相似点を垣間見ることが出来ました。それは紀元前100年頃朝鮮北部に興った高句麗

4世紀頃台頭してきた新羅、百済などの歴史時代劇で語られる言葉から、今の日本語の源のように思える発音に接したからです。

「単語上での日本語と対応しているものが多い」という筆者の耳で聞いた言葉を列挙してみよう。

抱容(パオヨー)感情(カンジョネ)草原(チョーゲン)皇帝(コンディ)

使者(サジャ)心臓(シンジョー)武将(ブジョー)課略(ボーリャク)

密約(ミヤギ)奸計(カンケイ)破綻(パタン)大義(テーギ)忠誠(チュージョン)

堅固(ケーゴ)流民(リュミン)問題(ムンジェ)明瞭(メンリュ)簡単(カンタン)

計略(ケイリヤ)失敗(シッペイ)約束(ヤクチョク)天地神明(テンチシンミョー)

傲慢(ゴンマン)納得(ナットク)知恵(チエ)尽力(チョンリョク)同盟(ドンメイ)判断(パンダン)大軍(ティグン)短時間(タンジカン)誘引(ユーイン)

将軍(ショーグン)3万(サンマン)…その他聞き取れた単語は…。

所属 全滅 進軍 国五 準備 奇襲 反乱 竹 総攻撃 簡単 阻止 安泰 万全 有利 監視 部族長 監督官 慎重 妙案 震動 攻撃 家族 安全 毒 心理作戦 忠告 匪賊 動揺 軍師 基盤 無視 疫病 中宮殿 精力 鳥合 反旗 忠誠 

閣下 運動 勢力 南軍 千軍万馬 関心 智略 他意 王妃 進 我慢 対策 咆考 優位 分散 武功 出兵 先峰 後衛 指揮所 国家 栄光 主力 勇気 効果 単独 五感 六感 等々

目で字幕を追い耳で発音を聞き対比したらノートに書き込む。

60年以上も前に独学で英語の勉強をしなければならなかった業が役に立ちました。

AC32年高句麗コグリョが中国の後漢に初めて貢物を持って宮中に参内、後漢から高句麗の国として認めて貰ったと歴史書にあります。日本語という流れが明瞭になり、朝鮮から日本への帰化人がもたらした言葉の一つが日本語のルーツであることが解りました。当時8世紀頃、日本の幾内と云われる山城・大和・摂津・河内・和泉に住んでいた人が持つ姓氏1059のうち帰化人の姓氏は324、即ち当時の宮中及び知識人と云われる人の3分の1が日本へ帰化した人だったのです。814年に撰上された新撰姓氏録によれば全国1193氏のうち、中国の韓民族が朝鮮に渡り更に日本に帰化した氏は171百済119高麗48新羅17任那10。666年天智天皇の時代百済からの帰化人2000人を東国へ移すと記されていますから、日本の文化はこれ等の人によって築かれ日本独自のものとなっていったと考えられます。埼玉県にある高麗神社が夫を物語っています。米山奨学生のカウンセラーをした結果日本語のルーツを現代の映像の世界から垣間見ることが出来たことはゴルフ好きの人がホールインワンをした喜び以上のものを筆者に与えてくれたのでした。

ロータリークラブに感謝。


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