真野 博
節分 恵方巻について
節分は中国から入ってきた習慣の現代版で、1300年前日本の宮中で行われていた鬼や疫病邪気を祓う為の儀式だったものが、江戸時代から盛んに行われるようになった。
国、自治体、そこに住む人間が背負っている邪気、即ちこの宇宙の一切の邪悪なものの表徹を鬼に例え追い払う行事です。
節分の節とは竹のフシの意味で『一区切り』ひとくぎりを意味します。
立春、立夏、立秋、立冬の区切りがそれで、特に春の節分は寒い冬から解放されるという喜びを表します。
茶摘みの88夜、2百10日、2百20日等は全て節分の次の日から春分の日から起算したものです。
ヒイラギ(柊)にイワシ(鰯)の頭をつけて門口に立てるのは、木ヘんの冬が水に住む魚へんに弱いこと、つまり冬が弱って暖かい春が来るという、古い中国の哲学である陰陽五行説『木火土金水』の木と水からとったものです。
季節の変わり目は陰と陽が対立して邪気を生じ災いを生むと考えられ、それを取り除こうとするのが節分の豆まきです。
大豆は今から1700年前位の文献に出てくる最も古い食物の1つです。
恵方とは、家に全ゆる富と宝と幸福を持ってくる方角で全ての幸福を包んだものが日本古来の海産物である『のり』です。
切らずに食べるのは、この福を切らない為で太いのは福を一杯つめ込んだ証しです。
江戸時代の信仰で、氏神様がきゅうり畑でツルに足をとられ、ころんで目に怪我をしたという云い伝えから、畑にきゅうりを作らない、勿論「恵方巻」にはきゅうりを入れないというのが習慣でした。
ちなみに筆者の住んでいた東京の下町や、家内の故郷愛媛県松山では「恵方巻」を食する習慣はありませんでした。
何事も商売、商売。どんな理屈もつけられます。
【参考文献】
日本の行事 大洋出版社 小松和彦、山口昌男、藤井正雄、吉野裕子
日本食物史 柴田書店 樋口清之
事始め雑学事典 千田健 伊藤学共著 日本情報センター
日本の信仰 仏神、習俗
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