第三章 日本の食糧危機を救う東京目黒ロータリークラブ
それにつけても思い出されるのは、東京目黒ロータリークラブ創立30周年を記念して、ペルー政府に識字率の向上、或は職業訓練の為の小学校、或は職業訓練校の設立の為にと贈られた資金です。当時世界の注目を集めたペルーの日本大使館占拠事件。犯人達はペルーのフジモリ大統領の周到な準備のもと射殺され、人質は全員無事救出されました。
しかしその犯人たちが起した事件の背景には、字が読めない・書けない為に、適当な「印」だけで土地を奪われたり、職業につけない等、それ等が複合して貧困層から涌き上がった事件であると云われたからです。
「職業を身につけることにより貧国から脱け出し、それにより今回のような事件の再発を防ぎたい。それには職業訓練校の開設が急務で、その資金800万余の一部として目黒ロータリークラブからの100万余という寄付金を使用させて頂きたい。」当所私達が思っていた小学校一部の建設より、より具体的な職業を身につけるという、ロータリーの職業奉仕に見合う使われかたをしたのでした。
ペルーの駐日大使だったアリトミジント氏はこうも述べられました。
「将来、日本に食糧危機が訪れた時、ペルーは必ず日本に対し食糧援助をします。何故ならペルーは未だかつて日本と戦争をしたことのない友好国と思っているからです。」
大使は目黒ロータリークラブ会員を大使公邸にご招待して下さり、ペルー料理で盛大にもてなして下さり、例会への卓話の際はペルーのペットボトルの飲料水を持参、全員に贈呈して下さったりしました。
ペルー大統領フジモリ氏よりは、大統領府を通じて丁重な礼状が目黒ロータリークラブ会長宛に届き、「ペルーにお出で頂ければ大統領自らお出迎えして、大統領府で晩餐会を設し、マチュピチュ観光等には政府の関係者を案内人としておつけする」という駐日大使のお言葉迄頂戴したのですが、残念ながらペルーを訪れる機会を逸しました。
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