職業奉仕がもったいないへ地球環境を守るのに役立つ
ロータリークラブの理念である「職業奉仕」って何?今の世代の人には解りにくいアメリカで唱えられたこの言葉も、1945年以前の日本の教育を受けた者には、すぐにピンとくる言葉です。「世の為、人の為しっかり勉強しなさい」「世の為人の為になる人間になりなさい」「どんな仕事でも世の中のお役に立っているのです」
こういう教育は主として母親が家庭で子供に教えたことでした。
例えば、町内にある味噌汁をのむ「お椀」の町工場についての教育はこんな具合でした。「お椀」をつくるには・・・・植林をする人、木を切る人、その鋸をつくる人、斧をつくる人、その鉄の原料を掘る人、掘る道具をつくる人、運ぶ人、運ぶ車をつくる人・・・・しりとりのように職人達の商売をあげて、目の前でロクロを廻す職人、最後の仕上げをする職ウルシ職人、問屋、小売店と話しは続くのです。
「だからお椀は丁寧につかいなさい。」
親は精魂(精根)こめてつくる職人達への感謝の気持ちを植えつけると同時に、自分もそうなるように教育したものです。
毎日食べるゴハンもお百姓さんの汗の結晶だから、1粒の米も無駄にしてはいけないと食事の度に云われたものです。
お釜でメシを炊き、底に残った米粒は水を入れて釜からきれいにはがし、手ですくってきれいに食べていました。
これが外国になると・・・・
1776年イギリスの神学者であり経済学者であるアダム スミスは、経済学のバイブルと云われる"国富論"で経済の生産性をあげ、等しく分配される為の方法として"分業"論でまとめました。即ち貧しい日雇い労働者の着ている毛織物も、それをつくるには見た目は粗末でも、非常に多くの職人の手を経ている。即ち羊を飼う人、羊毛を刈る人、羊毛を選別人、染色人、糸をつむぐ人、織物にする人、その羊の毛を刈るハサミを作る職人、その鉄の鉱石を掘る人、タガネを作る人等々、当時、日本の母親が子供に教えていたことを経済という視点から掴えていたのでした。
どの職人が欠けても日常生活の出来ないことは、近年アメリカで証明されました。
2007年中国製の食品、オモチャ等に有害物質が含まれているので、何十万個という製品が自主回収されました。そこで中国製品を全て使わない生活「チャイナフリー」をアメリカで試したところ、毎日着ている洋服も自分で作らなければならないばかりか、携帯電話すら使えないことが解ったと云えます。
トヨタ自動車のレクサスLSハイブリッドに使われている部品の数は3万点。関連する会社は1万社を超え、トヨタ自前で作る部品の数は30%です。
このうちどれ一つ欠けても自動車が出来上がらないことは、2007年7月の中越沖地震が証明しています。エンジンのスプリングを作る会社が被災した為、日本メーカーの車12万74台が生産不能になったのです。
アメリカで誕生したロータリークラブは、今の日本で失われた「職業を通じて社会に貢献している」ことを思い起させる素晴らしい団体です。
それが又、「もったいない」という地球環境の保護に役立つのです。
職業というのはこのように「人に役立つ人を生かす業」であり私達は「職業によって生かされている」のです。
だからこそ、出来よった製品だけでなく、結果の全てに責任をもち社会に貢献しなければならないのです。
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