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ロータリークラブの出来た年、1905年日本は!!

ロータリークラブの出来た1905年は日本にとっては日露戦争の終結した年でした。世界一の工業国、農業生産の都市として栄えていたロータリークラブ発生の地シカゴに比べ、日本の実情はロシア大帝国との戦いに於て疲弊のどん底にありました。
1895年、ぬれ手にアワで中国の南満州(今の北東地域)に權益を獲得したロシアは南下を続け、北朝鮮から脱北者が渡る鴨緑江に迠軍隊を進め、海軍の為の不凍港を求め、日本に最も近い韓国釜山近くの小島、馬山に海軍基地建設を認めさせようとしました。隣国に強大な力や体制の違う国が存在したり、侵略者がいるとその国の安全が脅かされます。第二次世界大戦後の中国と韓国アメリカの間には北朝鮮があり、ソ連とヨーロッパの間に東ベルリン、チェコスロバキヤ、或はハンガリー等の緩衝地帯を設けたことを見てもお解りの通りです。
当時の桂内閣は大変驚いてロシアとの戦争に踏切るのですが、何しろ日本には戦えるだけの金がありませんでした。
そこで政府は戦費の調達手段として、戦時国債を引き受けて貰う為アメリカ、イギリスに使節を送ります。
当時世界での公債の利率は年8%が相場と云われていましたが、日本とロシアが戦えば中国に権益を持っていたイギリスは手を汚さずに安泰を手に入れられるということで6%の利息で引受けてくれました。
日本が旅順を落とす公債の売れ行きは好調で、アメリカのクローン ローブ商会、リーマン ブラザース等が引き受けてくれました。
クローン ローブ商会はロシアでいじめられていたユダヤ人を日本が救済してくれるということで引き受けてくれたのです。
当時ロシアから日本に逃れてきた人の中から、例えば野球で云えばスタルヒン投手、その子孫である相撲界の大横綱大鵬さん達を見れば、アメリカが支援してくれた訳がよく解ります。
アメリカのリーマン ブラザースの場合は公債相場より高い利率で引き受けてくれたと云われていますから大儲けをした訳です。
1991年湾岸戦争の時、日本は1兆2000億余の金を拠出しましたが、仮に金利が10%だとすると1200億余の巨額な金になります。
このリーマン ブラザースこそ、2年前に世間を騒がせたライブドアのホリエモンこと堀江社長による日本放送買占め騒ぎの資金提供者であったことを考えると歴史って面白いものです。
「外国資本の日本メディアへの進出か」と一時大騒ぎされましたが、アメリカのニューヨークタイムズ社が社説で「単なる金儲けの為の行動である」と堀江氏を支持して、当時の日本の総理、閣僚、文化人等の発言もやみました。
勿論リーマン ブラザースはこの騒ぎで再び大儲けしたことは云うまでもありません。まさに「日本サマサマ」です。
処で日露戦争の開戦前、伊藤博文前首相は、明治憲法を作った金子堅太郎氏にこう云っています。「君はアメリカのルーズベルト大統領とハーバード大学法学部で同級生だろう。そのよしみをもってルーズベルト大統領に講和の斡旋を依頼する為アメリカに渡ってくれ、頼む。私はロシアが山陰や北九州に攻めてきたら一兵卒となっても戦う覚悟なのだから。」
この金子堅太郎のお孫さんは昭和天皇の后、照憲皇太后の専属ファッションデザイナーとして活躍したのも何かの縁ですし、又その金子さんと筆者は大変親しくさせて頂いていたので、ここでも不思議な縁を感じます。
処で当時の日本軍はロシア軍との奉天の戦いで、弾薬、人員、食糧、医薬品を殆ど使い果たし、日本には戦う力が残っていない講和でした。
第二次世界大戦に敗戦した時の日本とまるでそっくりです。
それに引き替えロシアはシベリア鉄道を使って兵員、武器弾薬、食糧などを続々とハルビンに集結しつつあり、戦が長引けば又、アメリカの仲介がなければ、金子堅太郎の仂きがなければ第二次世界大戦よりもひどい状態になっていたことと思われます。
有名な激戦地203高知攻略で乃木希典将軍と指揮を代わった、児玉参謀長は「最早戦う為に必要な特攻も補充出来ず、兵も又同じで1日も早い講和を」と大本営(天皇直属で作戦の立案。全指揮を発動する処)へ打電しています。遼陽の戦いでは弾薬が底をつき、日本兵は石を投げて戦った程でした。
日露戦争とロータリー。1905年という年は不思議な縁で結ばれていますが、職業を通して人様のお役に立ち、全世界の人達の幸福と世界平和の実現に努力し続けるロータリークラブの会員であることに喜びと誇りを見出すことが出来ます。
現在のロシアにもロータリークラブが誕生しました。これからはお互いロータリアン同志手に手をつなぎ合って、ロータリーの理想実現の為に力を尽くし合いたいものです。


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